トップページ:http://www6.ocn.ne.jp/~haiyuza/ 2002年の演目:http://www6.ocn.ne.jp/~haiyuza/Pages/info2002.html ●このゆびとまれ12月号uから ここ近年,俳優座で栗原小巻は「復活」(一九九一年。原作/トルストイ)、「ワッサ・ジェレズノーワ」(一九九二年。作/ゴーリキー)、「コーカサスの白墨の輪」(一九九四年。作/ブレヒト・以上三本は千田是也演出)、「冬のライオン」(一九九七年。作/ジェイムズ・ゴールドマン演出/ジョン・デヴィッド)と、どれも最終的には逞しく生きていく女性を演じてきました。 特に「復活」では、清純な乙女がシべリア行きの道中、自立した女性として、自分の道を見つけだしてゆくヒロイン、カチューシヤを陰影深く演じて諸題となりました。「ワッサ・ジェレズノーワ」、では、自分の夫に死を求める強靭な魂を持つ女主人を堂女と演じました。また、イギリスの演出家、ジョン・デヴィッドと組んだ「冬のライオン」では、王妃エレノアを演じ、王ヘンリー二世との権謀術数、駆け引きが交叉した複雑な役柄を的確に演じ、好評を得ました。 そして、ベルトルト・ブレヒト作「肝っ玉おっ母とその子供たち」では,なんといっても「快活でおしゃべりでたくましい」まさに庶民の代表ともいえる肝っ玉おっ母のパワー溢れる姿があります。 今回の演出は、栗原小巻とも馴染みの深いロシアのタバコフ劇団の俳優でもある演出家のアレクサンドル・マーリンがあたります。彼が俳優として出演した「検察宮」は日本でも話題になりました。一九八二年の「ファウスト」の演出以来、ロシアばかりではなくカナダでも活躍しており、若手の演出家としても注目されています。特に一九九七年に上演された、モーリス・ボドブレとの共同演出「冬物語」はカナダの代表的な演劇賞であるスワレデマスク(黄金の仮面)賞を受賞。また同年モスクワ芸術座で上演されたオレク・タバコフ主演の「愛の昇華」は、アメリカのボストンでも上演され好評でした。 アレクサンドル・マーリン演出「肝っ玉おっ母とその子供たち」は三〇年戦争を舞台としてだけではなく、今も世界の中で繰り返し行われている現代の戦争に翻弄される庶民の姿にも重ね合わせて斬新に描いています。ぜひ御期待下さい。 ●栗原小巻 偉大な作家ブレヒト、尊敬する今は亡き千田先生、世界的な演出家マーリン氏,そしてお客様に心から感謝しています。主題は戦争の悲劇、母の愛。深く、大切に演じたいと思っています。 ●小笠原良知 生前、千田先生は「楽しく,深い,豊かな,ヒューマンな芝居」ということをよく云っておられました。この「肝っ玉おっ母...」もそういった意味で観客の輪が広がっていくことを強く願っています。 ●執行佐智子 戦争という人災でさえ、人聞は運命として呑みこもうとする。マーリン氏の演出は、人間への決して枯渇せぬ慈みと暴力的なまでに乾いた喪失感、その聞を大きく揺れながら進んで行く。 ●公演ビラから 栗原小巻主演、アレクサンドル・マーリン演出 ブレヒトの名作「肝っ玉おっ母とその子供たち」の感動を再び!! 俳優座ブレヒト劇の中でも有教の珠玉の名作「肝っ玉おっ母とその子供たち」は2000年正月に上演され、アレクサンドル・マーリンの斬新な演出、栗原小巻のシャーブな演技が高い評価を得ました。 今、”快活でおしゃべりでた<ましい”庶民の代表ともいえる”肝っ玉おっ母”のあの感動が再び蘇ります。 <一寸お待ち太鼓を止めろ行軍を止めろ肝っ玉おっ母が,靴を売りにきた>―有名な「商売の歌」である。 17世紀の30年峨争。”肝っ玉おっ母”と異名をとったアンナ・フィーヤリングは。ふたリの息子と娘のカトリンと共に幌車に食料、酒、衣類などを積み込んで歩く野戦酒保商人だ。<さあ,戦争だ。もうかるぞ>と旺盛な生活カと強い母性愛を持つ”肝っ玉おっ母”だが、次々にその戦争の為に三人の子供たちを失ってい<― |
|||||||