【次回例会・作品紹介】
文学座+中部・北陸ブロック共同企画
崩れた石垣,のぼる鮭(シャケ)たち
いま最も注目される演出家の西川信廣と
若き俊才土田英生が鑑賞会と創る
共同企画。

●スタッフ
作=土田英生/演出=西川信廣

●キャスト

出演=加藤 武・金内喜久夫・原 康義・関 輝雄・石川 武・高橋克明・今村俊一・古川悦史・稲野和子・藤堂陽子・南 一恵・富沢亜古・古坂るみ子・阿部桐子
    
●文学座ホームページ
文学座ホームページ内に「崩れた石垣,のぼる鮭たち」のページがあります。キャスト,稽古の様子など詳細な情報を見ることができます。是非ご覧下さい。

●会員手帳から
30年ぶりに中学のクラス会が開かれている。集まったのは,中年の男女。ひさしぶりの出会いで賑やかに始まった。やがて,30年前に学校で起こった火事とその時に逃げ遅れたクラスメイトの影がさす。彼らは本当に級友を助けられなかったのか...。そして,彼らは思う。「あれから30年,自分たちはどう生きてきたのだろうか?」と。

●このゆびとまれ9月号から
時は近未来。雨が三年間も降り続いている。この異常気象は現代の我々が犯しつつある環境破壊の結末か?そして地球最後の日も近いのでは...?と思われる頃の都会に隣接する小さな町が舞台となっている。

プラモデルのようなお城を望み,川べりに建つ小料理屋での同窓会の話...。

料理屋の主人は元中学校の教師。昔の教え子に同窓会を頼まれ,休業中の店を息子に無理やり頼み込んで営業を展開することに...。しかしそこでもハプニングが...。そして30年ぶり同窓会。クラスメートや恩師。料理屋の人たちも巻き込んで思わぬ展開に

●公演ビラから
時代はこれからずっと先の,いつか。とある小料理屋の座敷。「このクラス会」が行われることは世界全体がそれどころではなくなっているハズなのだが...

■それでも鮭は川をのぼる 土田英生
私が小学生だった頃、近所の盆踊りで流れていた歌詞は「二十一世紀の夜明けは近い、云々...」という内容だった。二十一世紀は夢の時代。もはやそれは懐かしい未来像になってしまった。現在私たちはどっちを向いていいのか分からない所に立っ
ている。時代が悪いとか世の中がどうこうという問題ではなく、怖いのはただ一つ。先が見えないということだ。物語が描けないということだ。

鮭は産卵の為に川をのぼる。さて私たちは...。上流に果たして何があるのかは分からない。必死で泳げばいいのかどうかも分からない。しかしそれでも泳ぐしかないのだ。

「崩れた石垣、のぼる鮭たち」はまさにそういう話です。

土田英生(つちだひでお)/MONO代表。67年愛知県生まれ。1967年愛知県生まれ。立命館大学入学と同時に「立命芸術劇場」に入り演劇を始める。1989年、MONOの前身となる「B級プラクティス」を結成。90年以降全作品の作・演出を手がける。作品は98年よリ3年問連続で岸田國士戯曲目最終候補となり、「その鉄塔に男たちはいるとい一つ」で第6回0MS戯曲賞大賞受賞(99年)。また劇団「M・O・P」や「青年座」、パルコプ□デユース(「ボーイズ・タイム」演出/宮本亜門)などに新作を提供するなど、その才能が各界から注目されている。

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