【次回例会・作品紹介】
幹の会+リリックプロデュース
リア王
老王の狂気と悔恨,激情と哀しさ。
シェイクスピア悲劇の最高峰が蘇る。
●スタッフ
作=W.シェイクスピア,訳=小田島雄志,演出=平幹二朗

●キャスト

出演=平幹二朗,平岳大,渕野俊太,原康義,丹羽貞仁,廣田高志,荒川大三郎,烏畑洋人,茶花健太,藤木孝,勝部演之,坂本長利,西本裕行,新橋耐子,一色彩子,小林さやか,水戸野雅代
    
●会員手帳から
「冬物語」で好評を博した平幹二朗が斬新な演出で悲劇に挑む。老王と三人娘の愛を主軸に激しく,狂おしいリアの葛藤を描き,平の迫力ある演技が普遍的なテーマである家族愛を胸打つ感動に変える。

●公演ビラから
■物語
リア王は高齢を理由に王位の退位を決意する。三人の娘たちに等しく領地を分け与え、自らは隠居すると言い渡す。条件として、それぞれが父である自分をどれくらし、愛しているかを問い質す。長女のゴネリルと次女のリーガンは言葉巧みにリアヘの愛を誓い、豊かな財産を手に入れる。しかし、末娘のコーディーリアは自分の気持ちを素直に伝え、リア王の怒りを買う。激昂したリアはコーディーリアと親子の縁を切り、永遠の絶縁を申し渡す。忠臣ケント伯爵はリアを諌めるが、逆にリアの逆鱗に触れて国外追放となる。しかし、その場に居合わせたフランス王はコーディーリアを妻に迎えることを決意する。悲劇の幕開けを尻目に、二人の姉は先刻のリアヘの賛辞はどこへやら、リアを始末する策を話し合う。

一方、リアの重臣のグロスター伯爵の城を暗雲が覆い始めていた。私生児として生まれたエドマンドが父グ□スターの地位と財産を狙って、嫡子である兄エドガーを陥れようとしてし、たのである。エドマンドの謀略によって父親殺しを企んでいるという濡れ衣を着せられたエドガーは、気違い乞食に姿を変え荒野に逃亡する。手のひらを返したようなゴネリルとリーガンの仕打ちに絶望の淵に突き落とされたリアは正気を失い、娘たちへの激しい呪いの声をあげながらひとり荒野にさまよし、出ていく。

そんなリアの身を案じ後を追うのは、道化と姿を変え密かに従者となったケントだった。リアの窮状を憂えたグ□スターはリアの救出に手在貸すが、エドマンドの密告によってゴネリルとリーガンに捕らえられ、両目をくりぬかれて荒野に放逐されてしまう。父の難儀を知ったコーディーリアは、内乱状態のブリテンに上陸する。父と娘に昔の熱い血が交流する。しかしそれは束の問のことだった。そして―――リアの前に悲惨きわまりない残酷な運命が立ちはだかる。

■解説
一晩の芝居を楽しみに来た人は、理不尽な運命の仕打ちを見て慄然とするにちがいない。『リア王」とはそんな悲劇であると表現した批評家がいます。人の愛、特に『リア王」では親子の愛の行き違し、がモチーフになっています。これはいつの時代でも同じであり、特に現代でも身近で大きなテーマです。『リア王』は現代に生きている悲劇であり、シェイクスピアの四大悲劇の中で現代の観客に最もわかりやすく感動していただける作品です。今回は、俳優としての年輪を重ね重厚さも増してきた平幹二朗がリアを演じます。若手からベテランまで多彩な俳優が周りをかためます。また、平2世の平岳大がエドマンド役で出演します。こ期待ください。

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