「聞いて,見て,読む。リチャード三世」という企画を行いました。 →内容については,このページをご覧下さい。 ●会員手帳から これは「そぱを通れば犬も吠える」ほどの醜い悪のヒーローを中心にし、悪党がどこまで悪の限りを尽くせるかに見どころが集中。書かれた当時から圧倒的な人気をほこり、その後、数々の名舞台があるが、今回は希代の超悪党に江守が挑戦。 ●公演ビラから ランカスター家との抗争に勝利し凱歌を挙げるヨーク家の中で、背徳の炎を陰鬱と燃やすグロスター公リチャード。 「いっそのこと敵役になって、あゝいふ馬鹿々々しい快楽を呪ってくれよう」 鬱屈した魂がもたらした不敵な悪党官言がこの物語の始まりとなる。 悪辣なる奸計によりライバルたちを次々に葬り去り、実兄の未亡人を声色巧みに陥落せしめる。憎悪、背任、智謀。あらゆる背徳をその身に纏い、リチャード三世を名乗って土位纂奪の宿願は成し遂げられる。振り返れば累々と築きあげた死の山。孤独の中、やがて破滅が訪れる・・・。 数あるシェイクスピア史劇の中でも異彩を放つ悪徳の王リチャード三世。これまで数々の名優によって演じられてきた稀代の悪党に江守徹が挑み、国際的に活躍を続ける演出家であり、互いに認め合う友人であるレオン・ルービンの演出により、「悪」の香り漂う至高の舞台が生まれます。 ◎鑑賞団体会員の皆様へ 今回は文学座公演『リチャード三世』を例会にお招きいただき誠にありがとうございます。皆様にお会いできることを大変嬉しく思うとともに、最高の作品をご観劇いただけるように文学座の総力を結集して仕上げていきたいと思っております。 江守徹をはじめとする文学座のメンバー一同、舞台を通して皆様と素敵な交流が出来る事を期待しております。ぜひ、多くの方にお声を掛けていただき、一人でも多くの会貴の方にご覧いただけることを心より楽しみにしておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 ◎レオン・ルービン カナダ・マックスマスター大学院に在籍中RSC(ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー)の演出助手としてキャリアをスタートさせる。当時RSCの芸術監督だった名手トレバー・ナンのもとで経験を積みフリーに。各地で芸術監督を歴任した後現在はロシアやタイなど国際的に活躍の場を広げている。昨年には著名な演劇の祭典「ストラットフォード・フェスティバル」(カナダ)で『ヘンリー六世」を演出して大成功を収めており,地続きとなる今回の作品をどう料理するか期待は高まる。 日本では,八六年『リアルシング」(文学座)、九二年『問ぬけ役』(銀座セゾン劇場)を演出。両作品とも江守が主演を務めており互いの信頼も厚い。 |