【作品紹介】
第261回例会 関西芸術座公演
少年H
この戦争ヘンや!!
少年の心も揺れ始める
●スタッフ
原作=妹尾河童
脚色=堀江安夫
演出=鈴木完一郎

●キャスト
門田裕,梶山文哉,村崎由佳他


舞台芸術家として,エッセイストとして活躍中の妹尾河童の大ベストセラー「少年H」の舞台化。戦争から半世紀以上がたち,風化していく戦争をきちんと伝えていきたい...と言われる作者の言葉どおり,じわじわと戦争の影が忍び込む過程が存分に描かれています。
公演チラシから   

妹尾肇(少年H)は,海と山に囲まれた神戸の町に生まれた。

自由な気風の家庭に育ったHは,自由奔放で人一倍好奇心が旺盛だ。毎日忙しく遊びまわっている彼の周りで,にわかに色々な事件が起きはじめた。世の中が一気に戦争一色に染められていく。

「この戦争はヘンや!」矛盾に満ちた世間に,Hの正義感が芽をふいた。

―神戸も大空襲を受け,一面焼け野原となり,日本は戦争に敗れた...


●このゆびとまれ5月号から
(各地の感想から)

同じ原作でも,着眼点が違うとこうも違うものかと思った。戦争が人を変えていくことに恐ろしさを感じた。

元気一杯の舞台でした。家族の温かい絆がよく伝わり,普段の生活,戦時体制のムードの中での父親の大きさ,母親の優しさ,良かったと思う。

暗いお芝居ではなく,主人公のH一家の明るさがあったので,見終わった後は,さわやかな感じもした。最後のセリフ「何者でもない自分を生きる」が心に残りました。

戦後60年。風化しつつある今,この作品を多くの方が鑑賞できると良いと思いました。テンポのある構成(コロス)が効果的で,どんどん引き込まれていきました。

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