用 語 |
定 義 |
赤姫 |
お姫様役の通称。鳴神の絶間姫もこれに当たります。赤い振袖を着ています。 |
荒事 |
派手な隈取をした超人のような主役が敵をなぎ倒すといった演目。鳴神の後半はこれに当たります。江戸で好まれました。 |
大向
(おおむこう) |
最上階の安い座席。歌舞伎通が陣取って掛け声を掛けています。 |
女形
(おんながた) |
通称オヤマ。女役を演じる男性俳優のこと。ヤとカを間違えぬよう注意。 |
型 |
先祖代々各家に受け継がれている演技の仕方や演出。 |
歌舞伎十八番 |
市川団十郎家に受け継がれてきた家の芸の中から江戸時代末期に七代目団十郎が選んだ十八個の演目。鳴神の他には勧進帳,助六,毛抜,外郎売りなどが有名です。 |
柝(き) |
開幕のベルにあたる拍子木の音。これを聞くと気分が盛り上がります。開幕直前のを「直し」といいます。 |
隈取
(くまどり) |
デーモン木暮閣下もしています。白塗りの上に赤や青などで模様を書く歌舞伎独特の化粧法。堕落後の鳴神のものすごい顔にご期待下さい。 |
黒後見
(くろこうけん) |
不必要になった小道具をさっさと片付ける黒衣を着た介添人。 |
黒御簾
(くろみす) |
舞台下手にある簾の掛かった場所。その裏で笛太鼓などでBGMや効果音が鳴らされます。 |
下座音楽
(げざおんがく) |
黒御簾の中から聞こえてくる音楽のこと。歌舞伎では,風,雨,雷鳴,こだまなどをすべて象徴化し,音楽化しています。
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小道具 |
歌舞伎の場合必要に応じて大きさが変化します。鳴神上人の飲む杯もいつのまにか大きくなっています。 |
時代物 |
江戸時代以前の武家社会を舞台とした演目。鳴神の前半はこれに当たります。 |
癪(しゃく) |
胸や腹の激痛。歌舞伎の中では女の人がよく都合よく起こします。西洋演劇での「めまい」にあたります。 |
常式幕
(じょうしきまく) |
●柿色,●萌黄●,黒の三色のストライプの歌舞伎独特の色遣いの幕。拍子木の音に合せて下手から上手に向かって開きます。 |
所作(しょさ) |
踊りのこと |
世話物 |
江戸時代の庶民の生活を題材にした演目。歌舞伎の中ではいちばん現代の演劇に近い。数年前観た「文七元結」もこれに当たります。 |
立役
(たちやく) |
男役のこと。 |
タテ |
立ち回りのこと。チャンバラシーン。歌舞伎の立ち回りは様式化されてのんびりとしています |
チョボ床 |
舞台上手にある長唄,浄瑠璃などの演奏者が乗る台。今回は大薩摩というやや太い音の音楽です。 |
ツケ打ち |
見得を切る時など要所要所で鳴るパタンという効果音。袖で大道具さんが拍子木をツケ板に打ちつけて出しています。 |
飛六法
(とびろっぽう) |
歩いている様子を強調した歌舞伎独特のテクニック。勧進帳の幕切での弁慶の飛び六法が有名。 |
花道 |
客席から舞台下手につながる通り道兼舞台。演技をする時は七三のあたりで行います。飛び六法も花道を駆け抜けて行きます。歌舞伎ならではの素晴らしいアイデアですが,金沢にはありません。最近では「男の花道をジャイアンツで飾ってみないか?」と言われた人がいましたね。 |
引き抜き |
重ねて縫ってある衣装の上の一枚の糸を引き抜いて早がわりすること。舞台にいたまま衣装を変えるという歌舞伎独特の効果的な演出。鳴神では騙されたと知った上人が怒るときにこれをやりますので注目。 |
ぶっ返り |
重ねて着ている衣装の上の一枚の上半身だけを下に垂らして裏地を見えるようにすること。化けの皮が剥がれて正体を表した時に遣う手法。 |
見得(みえ) |
演技の途中に一瞬静止して取る強調されたポーズ。ここが見所ということを印象強く示すための手法。ツケ打ちも伴います。手だけでなく目でも演技をしています。映画のクローズアップに当たります。 |
屋号 |
各歌舞伎俳優が持っている家の通称。ちなみに今回出演される方々の屋号は次のとおりです。
嵐 圭史 豊島屋(てしまや)/河原崎 國太郎 豊島屋/
山崎 竜之介 山崎屋/
山村 邦次郎 岡村屋 |